グローバルCOE 国際リサーチフェロー紹介

名前 愿山 郁
所属 原核生物分子遺伝学講座 ( 真木 寿治 教授 )
経歴
  • 2001年3月
    奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科修了 博士(バイオサイエンス)取得(原核生物分子遺伝学講座:真木寿治教授)
  • 2001年4月-2002年3月
    日本学術振興会 特別研究員(九州大学大学院 医学研究科医学生物物理学講座 基礎放射線医学分野:續 輝久教授)
  • 2002年4月-2004年4月
    奈良先端科学技術大学院大学 バイオサイエンス研究科 教務職員(原核生物分子遺伝学講座:真木寿治教授)
  • 2004年5月-2005年4月
    同上 助手
  • 2005年7月-2006年6月
    University of California, Davis, Post-doctoral fellow (Section of Plant Biology, Anne Britt 教授)
  • 2006年8月-2008年7月
    日本学術振興会 海外特別研究員(University of California Davis, Section of Plant Biology, Dr. Britt Lab)
  • 2008年8月-
    奈良先端科学技術大学院大学バイオサイエンス研究科 グローバルCOE 国際リサーチフェロー
コメント 愿山郁 さん 私は遺伝情報の担い手であるDNAがどのように安定に維持されているかに興味を持っています。DNAは紫外線などの外的な要因や、代謝の過程で生じる内在産物によって絶えず傷つけられていますが、細胞は損傷を受けたDNAを安定に保持するための様々な仕組みを備えています。DNAを正確に次の世代に受け継ぐ事は大変重要なので、大腸菌から哺乳動物にわたりその仕組みは広く保存されています。私は大学院時代、奈良先端大の真木研究室で大腸菌を用い、自然突然変異の発生するメカニズムについての研究に従事していました。その過程で、生物は我々の想像を超える精巧な仕組みによって、効率的にそして確実にDNAを安定に保持していることを知り、その奥深さに感動しました。植物は他の生物と違って自分で移動することができないため、紫外線などの外界のストレスによってDNAは常にダメージを受けながら生育しています。このことからも、植物にとってDNAを安定に維持することは重要な問題であると考えられますが、植物の分野におけるこれらの研究はほとんど進んでいないのが現状でした。そこで私は実験材料を植物に変え、UC DavisのBritt研究室で、DNAを安定に保持するためのメカニズムの一つであるDNAダメージチェックポイントに関する研究を進めてきました。これからは奈良先端大の国際リサーチフェローとして、これまでの知識と経験を生かし、そして先端大のもつ最新の設備を活用させて頂きながら、植物のチェックポイント機構についての研究をさらに発展させていきたいと考えています。